Locus of Life


自己受容とは、自分をそのまま受け入れることです。それは、自分の欠点や弱点を否定せず、同時に長所や成功もきちんと認めることを意味します。しかし、それは決して簡単なことではありません。特に、異国の地で暮らす中では、自分自身を見失いがちになる瞬間があるものです。私自身、イギリスでの生活を始めたころ、「日本ではできていたのに」「もっとこうであるべきなのに」と、何度も自分を責めることがありました。
海外生活は、自分の「当たり前」が通用しない場面に日々直面するという特異な環境です。例えば、言葉の壁や文化の違いから、自分の気持ちや考えが十分に伝わらず、周囲の人々に受け入れてもらえないように感じることもあります。そんなとき、自分の価値を疑ってしまうことは珍しくありません。「自分は何もできない」「十分じゃない」といった感情が押し寄せ、自己評価を下げてしまいます。このようなときに必要なのが、自己受容という視点です。
自己受容を深めるためには、以下のような具体的なステップが役立ちます。
自分の感情に気づく自分の気持ちを観察し、「悲しい」「焦っている」「不安だ」といった感情に気づくことから始めます。その感情を否定せずに受け入れることで、自分への理解が深まります。
感情に名前をつける不安やイライラを感じたとき、「なんでこんな風に思うんだろう」と自分を責めるのではなく、「これは不安なんだ」「今は怒っている」と感情に名前をつけてみましょう。それだけで心が軽くなることがあります。
他人と自分を比べない海外で暮らしていると、現地の人や他の外国人がスムーズに生活しているように見えて、「自分はなんて不器用なんだろう」と思うことがあるかもしれません。しかし、他人が何をどのように乗り越えてきたのか、その背景は分かりませんし、比べる必要もないのです。私たちが本当に向き合うべきなのは、他人ではなく、自分自身です。
小さな成功や進歩を喜ぶ毎日の中で、自分ができたことを見つけて、それを自分で褒めてみましょう。「今日は頑張って出かけられた」「新しいことを学べた」など、小さなことでも大丈夫です。
感謝を忘れない日々の中で感謝できることに目を向ける習慣を持ちましょう。たとえば、「今日は天気が良くて気持ちよかった」「人に親切にしてもらえた」など、小さな感謝の積み重ねが自己受容をサポートします。
これらを日々少しずつ取り入れていくことで、自分を理解し、受け入れる力が徐々に育まれます。
私自身、カウンセリングを通じて「自分を変えようとするのではなく、理解し受け入れること」の大切さを知りました。特に、海外生活や異文化の中での葛藤を抱える方にとって、自分自身を受け入れることは生きやすさを大きく変える鍵となります。自分を受け入れられるようになると、他人や環境への接し方も柔軟になり、自然と穏やかな気持ちで日々を過ごせるようになるのです。
自己受容は一夜にして達成できるものではありません。時には過去の後悔や未来への不安にとらわれてしまうこともあります。それでも、一つひとつの感情や出来事を丁寧に受け止め、自分自身を少しずつ理解していくことで、「私は私でいいんだ」と思える瞬間が増えていきます。そして、その旅路においてサポートが必要なときは、ぜひ一人で抱え込まず、信頼できる誰かやカウンセリングに頼ってください。
一緒に、あなたの「Locus of Life」を作りましょう!