不安との向き合い方:色即是空の視点から
- Locus of Life

- Feb 21
- 6 min read
Updated: Mar 6
「不安が強いのは性格だから仕方ない」と感じていませんか?
すぐ不安になる自分を責めたり、「心配性は治らない」と諦めてしまったことはありませんか?
仕事や人間関係、将来への心配が重なり、「私はすぐ不安になる」と思い続けているうちに、それが“自分そのもの”のように感じられてしまうことはないでしょうか。
「私は心配性で、すぐ不安になるんです。考えすぎてしまうのは性格だから仕方ないと思っていました。」
もし、あなたがそんなふうに自分を責めたり、諦めたりしているのなら、少しだけ立ち止まって、この言葉に触れてみてください。
この記事では、仏教の「色即是空(しきそくぜくう)」という視点から、心の悩みや不安との向き合い方を、カウンセリングの現場からやさしく見つめていきます。
Locus of Life が大切にしているのは、不安をなくすことではなく、不安との関係の持ち方に気づくことです。
不安を抱えるあなたへ
不安は誰にでも訪れるものです。特に仕事や人間関係、将来のことを考えると、不安が強くなることがあります。これらの不安は、私たちの心に影響を与え、時には生活全体を支配してしまうこともあります。
不安の正体を知る
不安は、私たちが直面する現実の一部です。しかし、私たちがその不安をどう捉えるかが重要です。「私は不安な人間だ」と思うのではなく、「今、不安を感じている」と認識することが大切です。この違いが、心の持ち方に大きな影響を与えます。
ある相談の場面から ― 「私はすぐ不安になるんです」
「私はすぐ不安になるんです。これはもう性格なんだと思います」
ある方が、少し申し訳なさそうに、でもどこか諦めたようにそう話してくれました。仕事のこと、人間関係のこと、将来のこと。理由はいくつもあるけれど、聞いていると、その方は“不安が起きている”というよりも、“不安と自分が重なっている”ように感じているようでした。
例えば、朝の会議で上司に質問されたとき、心臓がドキドキして声がうまく出ない。その後も一日中「私の準備不足だ」と頭の中で繰り返し考えてしまう。こうした小さな体験が積み重なるうちに、「私はいつも不安になる人だ」という感覚が強まっていきます。
カウンセリングの場では、感情や悩みが、いつの間にか“自分の性格”と結びついて語られる場面に出会うことが少なくありません。
ここから少し視点を引いて眺めてみるとき、「色即是空」という言葉が、静かに響いてきます。
色即是空とは?心の悩みや不安をやわらげる視点
「色即是空(しきそくぜくう)」という言葉を聞くと、少し難しく、哲学的で、日常から遠い印象を受けるかもしれません。けれどこの言葉は、私たちが日々感じている心の悩みや不安のあり方をやさしく照らす視点でもあります。
仏教でいう「色(しき)」とは、形あるものだけでなく、感情や思考、出来事など「確かにあると感じられるもの」すべてを含みます。一方で「空(くう)」とは、「何もない」という意味ではなく、固定された実体を持たず、関係性の中で常に変化している、という理解です。
つまり色即是空とは、私たちが“確かなもの”だと思っている感情や悩みも、実は変化し続けるプロセスの一部なのだ、ということを教えてくれます。
不安や怒り、自己否定の感情も、永遠に固定された「性格」ではなく、そのときどきの条件の中で立ち上がっている“色”なのです。それは確かに今ここに存在していながら、同時に変化し続けているプロセスでもあります。
「不安になる私」と「不安そのものの私」は同じではない
カウンセリングの場では、こんな言葉がよく語られます。
「私はいつも不安になるんです」
「ちょっとしたことで落ち込んでしまいます」
最初は“起きている体験”として語られていたものが、いつの間にか、「私は不安な人間なんです」という自己像へと固まっていくことがあります。
例えば、子どもが宿題をやりたくないとぐずったとき、すぐにイライラしてしまう母親。あるいは、同僚の何気ない一言で一日中落ち込み、自己否定が止まらなくなる会社員。こうした出来事は、どれも状況の中で起きている体験です。
けれど繰り返されるうちに、「私は怒りっぽい人だ」「私は弱い人間だ」というラベルへと変わっていくことがあります。
そこでカウンセリングでは、こんな問いをゆっくりと共有します。
その不安は、いつも同じ強さでしょうか。どんなときに強まり、どんなときに少しやわらぐでしょうか。
怒りが立ち上がる背景には、どんな状況や疲れ、期待があるでしょうか。
すると、一枚岩のように見えていた“性格”が、実は状況や関係性、身体の状態によって揺れ動いていることに気づき始めます。
ここに、「色即是空」の視点があります。不安は確かにある。けれどそれは固定された本質ではなく、条件の中で立ち上がり、やがて変化していくものです。
感情をなくすのではなく、眺める ― カウンセリングは「空」に触れる時間
カウンセリングは「問題を解決する場所」と思われがちです。もちろんそれも大切な側面です。ただ、Locus of Life が大切にしているのは、解決の前に、自分の体験をどう見ているかに気づくことです。
感情を「なくそう」とするとき、私たちはその感情を強く固めてしまいます。
一方で、「今、不安が起きているな」と「怒りが立ち上がってきているな」と少し距離をもって眺められたとき、感情は流れを取り戻し始めます。
これは感情を軽視することではありません。むしろ、しっかり存在を認めながら、それが“自分そのものではない”と知ることです。
「空」という視点は、突き放すことではなく、絡まりすぎていた自己イメージを、そっとゆるめる視点なのかもしれません。
空という視点は、変化の余地をひらく
もし私たちの性格や感情が完全に固定された実体だとしたら、変化や回復はとても難しいものになります。
けれど「空」という理解は、今の状態が永遠ではないこと、新しい理解や関係性が生まれる余地があることを示しています。
カウンセリングの中で起こる小さな気づきは、「私はこういう人間だ」という固まった物語が、少しだけやわらぐ瞬間でもあります。自分の人生の重心(locus)が、外側の評価や過去の思い込みから、今ここで起きている体験へと戻ってくる時間。
色即是空という言葉は、人生を軽く扱うためのものではありません。むしろ、人生をしなやかに生きるための視点です。
今日感じているその不安も、確かにここにあります。そして同時に、それは条件の中で立ち上がり、やがて姿を変えていく“流れ”でもあります。
では今、あなたが「これが私だ」と思っているその感情は、本当に変わらない実体でしょうか。それとも、条件が変われば、少し違うかたちで現れる“体験”なのかもしれない。そう問い直すところから、新しい見え方が始まるのかもしれません。
Locus of Lifeのオンラインカウンセリングについて
Locus of Life では、オンラインで日々の不安や心の悩みに向き合うカウンセリングを提供しています。
すぐ不安になってしまう
いつも考えすぎてしまう(心配性だと感じている)
自分を責める思考が止まらない
「これは性格だから仕方ない」と感じている
そうした思いを抱えている方が、ご自宅にいながら安心して話せるオンラインカウンセリングの場を整えています。世界中どこにいても、自分の心と向き合う時間を持つことができます。
不安をなくすことを急がず、不安との関係を見つめ直す時間を大切にしています。
どうぞお気軽にご相談ください。


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